川畑蒲鉾 3つのこだわり

手づくりへのこだわり

「なぜ、まだ手造りをやっているの?」と よく言われます。

蒲鉾づくりは温度管理に最も神経を使いますが、
気温や湿度をはじめ、その日だけでも天候が変化していき、
ましてこの日本では四季がはっきりしているため、
その変化には大きな幅があります。

農業生産者の方が天候に左右されるのと同じように
私たちも状況により素早い見極めと対応が必要なのです。

その場だけの温度管理なら機械でもいいですが
どんな環境にせよ、予測と判断をもとに、
素早く温度対応できる事が
創業以来、手づくりを続けている理由のひとつです。

そして「食への感謝」も理由のひとつです。

蒲鉾は日本食文化のひとつであり、
島国日本ならではの「自然(海)の恵み」と考えます。

その自然の恵みに対して、
ひとつとして同じものが無い手づくりで、
感謝を続けていきたいと考えています。

健康食品としても注目されている蒲鉾が、
日本の食卓から消えないよう願いを込めた手づくりなのです。

うず巻 ガワ(外皮)づくり

手造り ちくわ焼き

水へのこだわり

スケトウダラ90%以上の濃厚さを持つ川畑蒲鉾ですが、
その次に占める「水」には軟水器を使用しています。
その水を蒸し器や自家製氷にも用いて、
すり身から蒸し上げるまで同じ水で仕上げていきます。

すり身の工程では、水ではなく氷を使い撹拌しますが、
これは急激な温度上昇を抑え、
5℃以下の状態ですり身を仕上げていくためです。

また蒸し器にもこの水を通しますが、
軟水は器内の水垢も防ぎやすく衛生的です。

ある程度ミネラルを含む硬度(中硬水)も
蒲鉾にはいいと言われますが、軟水を使うことで、
すり身本来の味を純粋に引き出すのが、
95年続く川畑蒲鉾のこだわりです。

軟水の自家製氷

蒸す前のちくわ

氷へのこだわり

手づくりにおいて温度管理に必要なのが「氷」です。
原料すり身の撹拌から、手作業を経て蒸し器に入れるまで、
温度0~5℃範囲で行う必要があり、
そのコントロールを氷が担っています。

この氷も5㎝と3㎝の2種類を自家製氷機で製造し、
用途に合わせて使い分けしています。
例えば、ゆっくりと温度変化させるときは5㎝を少量、
短時間で変化させるときは3㎝を多量、という具合に使用します。

真冬は1時間かけてもすり身が出来ない日もあれば、
真夏はドロドロのすり身になりかける日もあります。
このように外気温によっても、
一定のすり身ができるよう温度管理をしていくのです。

また、真空パック後も100℃でボイルした後、
一気に氷で冷却し、菌が最も増殖しやすい
20~60℃の時間帯を無くすことで滅菌します。

気候の変化が激しい中で、
今では川畑蒲鉾の手づくりを支える大事な氷なのです。

氷でのすり身づくり

燻製蒲鉾の型入れ